頭でわかっていても体が動かない…そんな自分を変える「0.5秒の勇気」の話

気づきと学び

困っている人を見かけたとき、声をかけようとして足が止まる。
「迷惑かな」
「断られたらどうしよう」
そんな迷いが頭をよぎる間に、タイミングを逃してしまう。
あとから訪れるのは、「どうして動けなかったんだろう」という小さな自己嫌悪。
あなたにも、そんな経験はありませんか?

本当はもっと軽やかに、優しさを手渡せる自分でありたい。
今日は、そんな「とっさの勇気」について、コーヒー片手に少し考えてみませんか。

あの時、動けなかった自分と、鮮やかに動いた友人の話

先日、久しぶりに会った友人から聞いた話が、ずっと心に残っています。
友人のパートナーの話なんですが、ある日、混雑した駅のホームで、大きな荷物を抱えた年配の方がバランスを崩したそうなんです。

周囲の人たちが「あっ」と息を呑んで立ち尽くす中、そのパートナーの方は、考えるよりも先に体が動いていたと言います。スッと駆け寄って荷物を支え、何事もなかったかのように「大丈夫ですか?」と声をかけた。その一連の動作があまりに自然で、まるで流れる水のようだったと、友人は少し誇らしげに話してくれました。

その話を聞きながら、私は思わず自分の胸に手を当ててしまいました。
「もし私がその場にいたら、同じことができただろうか?」

正直に言うと、自信がありません。
きっと、「大丈夫かな?」と心配しつつも、周囲の目を気にしたり、「私がしゃしゃり出ていいのかな」なんて迷ったりして、結局何もできずに通り過ぎてしまったかもしれない。

私たちは頭ではわかっているんですよね。
良い行いを積み重ねることが、巡り巡って自分の人生を豊かにしてくれること。
誰かのために動くことが、自分自身の心を温めること。
それでも、いざという「とっさの時」には、見えない壁が立ちはだかるのです。

友人の話を聞いて以来、私は「優しさの瞬発力」について考えるようになりました。
特別なスーパーヒーローになりたいわけじゃない。
ただ、目の前の誰かが困っているときに、あと一歩踏み出せる自分でありたい。
そう思うのは、きっと私だけではないはずです。

優しさは「性格」ではなく「準備運動」から始まる

なぜ、私たちはとっさに動けないのでしょうか。
冷たい人間だから? 勇気がないから?
いいえ、決してそうではありません。

実はこれ、心の「準備運動」ができているかどうかの違いなのかもしれません。

私たちは普段、仕事や家事に追われ、自分のことで頭がいっぱいになりがちです。
余裕がない状態だと、どうしても視野が狭くなってしまう。
そんな中で急にハプニングが起きても、脳が「非常事態」として処理するのに時間がかかり、体がフリーズしてしまうのです。

先ほどの友人のパートナーの方は、普段からきっと、心のどこかに「誰かの役に立ちたい」というアンテナを張っていたのではないでしょうか。
それは特別なことではなく、「もし何かあったら手を貸そう」という小さなシミュレーションを、無意識のうちに繰り返していたのかもしれません。

また、私たちの心を止めるブレーキの正体は、「恥ずかしさ」であることも多いです。
「偽善者だと思われないか」
「間違っていたらどうしよう」
そんな自意識が、私たちの足を重くさせます。

でも、少し視点を変えてみましょう。
もしあなたが逆に助けられる側だったとしたら。
相手が少し不器用だったとしても、声をかけてくれたその「気持ち」だけで、十分に嬉しくありませんか?

完璧な対応なんてしなくていいんです。
スマートじゃなくてもいい。
大切なのは、結果ではなく「踏み出そうとしたその一歩」にあります。

「情けは人のためならず」という言葉がありますが、これは誰かのためにした良い行いは、いずれ巡り巡って自分に返ってくるという意味ですよね。
これは不思議なもので、誰かに親切にすると、された相手だけでなく、した自分自身の心もスッと軽くなり、自己肯定感が上がることがわかっています。
誰かのために動くことは、実は自分自身への一番のプレゼントなのかもしれません。

小さな勇気を育てる3つの練習

では、どうすればとっさの時に動ける自分になれるのでしょうか。
いきなり人助けをするのはハードルが高いかもしれません。
明日からできる、心の準備運動を一緒に試してみませんか。

ステップ1:心の中で「おせっかいシミュレーション」をする


通勤電車やスーパーで、「もし今、あの人が荷物を落としたらどうする?」と想像してみてください。
「すぐに拾う」「『大丈夫ですか』と声をかける」
具体的にイメージするだけで、脳はそれを「経験」として記憶します。
これを繰り返すことで、いざという時に体がスムーズに動くようになります。
まずは妄想の中で、親切な自分を演じてみるのです。これなら誰にもバレませんし、恥ずかしくありませんよね。

ステップ2:名前のない「小さな親切」を積み重ねる


誰かに対する直接的なアクションでなくても構いません。
例えば、オフィスの洗面台を使ったあとに水滴を拭き取る。
道に落ちているゴミを拾ってゴミ箱に捨てる。
コンビニで店員さんに「ありがとうございます」と目を見て言う。
誰も見ていないところでの「徳積み」は、心の筋肉を鍛えてくれます。
「私は良いことをしている」という感覚が、自分への信頼、すなわち自信へとつながり、いざという時の勇気に変わります。

ステップ3:0.5秒だけ早く動く意識を持つ


何か気づいたとき、考え込む前に動く練習です。
エレベーターで誰かが来たら「開」ボタンを押す。
お店のドアを次の人のために押さえておく。
こうした日常の些細なシーンで、「あっ、どうしよう」と迷う前に、反射的に体を動かしてみるのです。
失敗しても大丈夫。「おっと、タイミング間違えた」と心の中で笑い飛ばせばいいだけです。
この「0.5秒の反射神経」を養うことが、大きな勇気への第一歩になります。

完璧じゃなくていい、その気持ちだけで十分

とっさに行動できる人を見ると、眩しく見えてしまう私たち。
でも、最初から完璧な人なんていません。
みんな、小さな失敗や躊躇を繰り返しながら、少しずつ優しさの引き出しを増やしているんだと思います。

もし今日、動けなかったとしても、自分を責めないでくださいね。
「動きたいと思った」
その優しい気持ちがあるだけで、あなたはもう十分に素敵な人です。

私もまだまだ修行中の身です。
まずは明日、誰にも気づかれないような小さな善行をひとつ、積み上げてみようと思います。
そんな小さな光が、いつか誰かの心を照らす大きな勇気になると信じて。

あなたも一緒に、小さな一歩から始めてみませんか?
もし何かができたら、心の中でこっそりガッツポーズをしましょうね。
私たちの日常が、そんな温かな瞬間で溢れますように。

 

その他の記事もお楽しみください記事一覧はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました