前の事実さえ見えなくなってしまいました。
実は、私にも心当たりがあります。 数年前、プロジェクトのリーダーを任された時のこと。自分では「話のわかるリーダー」のつもりでした。でも、ある日同僚から「最近、〇〇さんの前ではみんな顔色を伺って、本当のことが言えないみたいだよ」とこっそり教えられたのです。
ショックでした。良かれと思って出していた指示が、周囲には「絶対の命令」として威圧感を与えていた……。私は知らないうちに、自分専用の「小さな王国」を作ってしまっていたのです。
「一番弱かった日」の気持ちを、お守りにする
この失敗を経て、私は深く考えました。 社会的立場が上がるのは素晴らしいこと。でも、それと引き換えに、昔は痛いほど分かっていた「弱い立場からの視点」を忘れてしまったら……それは本当の成長とは言えないのではないか、と。
新入社員だった頃のこと、覚えていますか? 右も左も分からなくて、質問したくても「今、忙しいかな……」と先輩の顔色をうかがっていた、あのドキドキ。 異動したばかりの部署で、早く輪に入りたいのに、なんだかよそよそしい空気を感じていた、あの心細さ。
そうした「弱かった時の気持ち」を、いつまでも忘れずにポケットに入れておくこと。それこそが、立場が変わっても「裸の王様」にならず、人として愛され続けるための大切なコンパスになるのだと思います。
明日からできる、謙虚さを保つ3つの習慣
「裸の王様」にならないために、私が今でも意識している具体的なアクションを3つ紹介します。
- あえて「反対意見」を募集する 自分の案を出した後、あえて「これ、何か欠点はないかな?」「逆にやりづらいと思うところはある?」と、否定的な意見を歓迎する姿勢を見せてみてください。100%の同意よりも、1つの反対意見を宝物にする。これだけで、心の風通しが劇的に良くなります。
- 現場の「手作業」を一緒にやる 立場が上がると、どうしても指示だけになりがちです。だからこそ、コピー取りや片付け、ちょっとした雑用をあえて自分でもやってみる。現場の「今」の空気を感じることで、周りの人が何に苦労しているのかという肌感覚を取り戻せます。
- 自分の「かっこ悪い失敗談」を語る 「完璧な上司」や「完璧な親」である必要はありません。むしろ、「昨日、こんなミスしちゃってさ」と自分の弱みをさらけ出してみてください。それは周りの人の緊張をほぐし、「この人になら本音を言ってもいいんだ」という深い信頼関係(心理的安全性)につながります。
まとめ:弱さを知っている人が、一番強い
本当の強さとは、決して「弱さを見せないこと」ではありません。 自分の未熟さをちゃんと知っていて、「自分はまだまだだ」と学び続けている人。そういう人こそが、どんな環境の変化にもしなやかに対応できる、本当の強さを持っているのではないでしょうか。
私も、どんなに立場が変わっても、あの「一番弱かった日」の震えるような気持ちを忘れずに、謙虚に歩んでいきたいなと思います。



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