こんにちは。「こころのコンパス」へようこそ。 専属編集者の私と、シロクマの「こころ」が、あなたの今日にそっと寄り添います。
「もういい大人だし、経験も積んできたはずなのに、どうしてこんなに自信が持てないんだろう」と、自分を責めてしまう夜はありませんか?
今日は、「私なんてまだまだ…」と落ち込むあなたへ。自信がないのは、あなたの目が「一流」だからかも? について、少しだけ視界が明るくなるお話を届けさせてください。
15年続けても、消えない「偽物感」
私は今、企画の仕事を始めて15年ほどになります。 中堅からベテランと呼ばれる域に入り、部下を指導する立場にもなりました。周りからは「いつも冷静で頼りになるリーダー」に見えているかもしれません。
でも、本当のところを打ち明けると、いまだに自分の仕事に100パーセントの自信を持てたことが一度もないんです。
新しいプロジェクトが始まるたびに、「もし今回、自分の実力のなさが露呈してしまったらどうしよう」と足がすくみます。15年も積み上げてきたはずなのに、心の中にはずっと「自分は実力以上の評価をされている偽物ではないか」という不安が居座り続けているのです。
なぜ、いつまでも自信が持てないのか。 それは、この仕事を続ければ続けるほど、世界に存在する「本物」の凄さを知ってしまったからでした。
ため息が出るほど美しいデザイン、一分の隙もない完璧なロジック、人の心を一瞬で動かす言葉。そんな「一流」の仕事に触れるたび、自分の手元にある成果物が、ひどく不格好で、価値のないもののように見えてしまうのです。
「自信のなさ」は、成長した証
しかし、ある時、能を大成させた世阿弥(ぜあみ)の言葉に出会い、私の視界は少し変わりました。
「初心忘るべからず」 (出典:世阿弥『花鏡』)
この有名な言葉、実は「初心者の頃の謙虚な気持ちを忘れるな」という意味だけではないんです。世阿弥は、修行の各段階において、その時々の「未熟な自分(初心)」を忘れず、それを乗り越えていくことの重要性を説きました。
つまり、「自分はまだまだだ」と痛感するのは、あなたが新しいステージに立ち、より高い理想が見えるようになった証拠なのです。
初心者の頃は、何が凄くて何が足りないのかさえ分かりませんでした。今、あなたが「自分はまだまだだ」と落ち込むのは、あなたの「審美眼」や「良し悪しを見分ける物差し」が、過去の自分とは比べものにならないほど磨かれた結果なのです。
比較のワナから抜け出す、3つのステップ
とはいえ、理想と現実のギャップに苦しみ続けるのは辛いですよね。 「一流」を知っているからこそ臆病になってしまうあなたが、今日から試せる具体的なステップをご紹介します。
- ステップ1:「遠くの偉人」より「目の前の一人」に集中する 世界的なトップランナーと比較すれば、自分の仕事はちっぽけに見えるかもしれません。でも、あなたの仕事で今日、助かった同僚や、笑顔になったお客さんが必ずいます。「世界一」である必要はありません。「目の前の誰かの役に立った」という事実に、もっと誇りを持っていいのです。
- ステップ2:「過去の自分」と定期検診をする 比較対象を他人ではなく、1年前、あるいは3年前の自分に固定してみてください。当時は1日かかっていた作業が1時間で終わるようになっていたり、以前は気づけなかったミスに気づけるようになっていたりと、「確実に成長している自分」が見つかるはずです。
- ステップ3:「自信」を「伸びしろ」と翻訳する 「自信がない」という言葉が浮かんできたら、即座に頭の中で「私にはまだ伸びしろがある」と翻訳してみてください。完璧ではないということは、これからもっと面白くなる可能性があるということ。不完全な自分を、未来への期待値として捉え直してみましょう。
まとめ:不完全なままで、進んでいこう
「いつか自信満々になれたら、胸を張ろう」 そう思っているうちに、人生はあっという間に過ぎてしまいます。
私たちは、成長すればするほど、さらに高い山の頂が見えてしまう生き物です。だから、自信なんて100点満点じゃなくていい。 60点くらいの頼りない自信をポケットに忍ばせて、震える足で一歩を踏み出す。
その泥臭い歩みこそが、いつか振り返ったとき、あなただけの誇らしい軌跡になっているはずです。私も、こころくんと一緒に、不完全なまま進んでいきたいと思います。



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