こんにちは。「こころのコンパス」へようこそ。 専属編集者の私と、シロクマの「こころ」が、あなたの今日にそっと寄り添います。
「自分には誇れるような夢がない」「立派な志がないとダメなのかな」と、ふと不安になる夜はありませんか? 今日は、何度でも立ち上がる力は「大それた志」じゃなくていい。身近な愛が最強の支えになる話について、少しだけ視界が明るくなるお話を届けさせてください。
ヒーローになれない自分への「後ろめたさ」
「七転び八起き」という言葉を聞くと、どんな困難にも負けないスーパーヒーローのような人を想像してしまいませんか? 社会を良くしたいという情熱的なリーダーや、不屈の精神を持つアスリート。
そんな眩しい存在と自分を比べて、「私にはそんな立派なものはない。ただ日々の生活を回すだけで精一杯だ」と、私はずっと後ろめたさを感じていました。
実は数年前、仕事のプレッシャーで心がポキッと折れそうになった時期があります。 「何のために働いているんだろう」「私の代わりなんていくらでもいる」 そんな虚無感に襲われ、布団から出られない朝が続きました。
そんな時、私を突き動かしたのは、高尚な理念ではありませんでした。 リビングから聞こえる子供の笑い声と、キッチンで朝食を作る音。 「この日常を守らなきゃ」 その泥臭くて個人的な理由だけが、私を再び立ち上がらせ、駅へと向かわせたのです。
「起き上がりこぼし」の重りは、外からは見えない
なぜ、玩具の「起き上がりこぼし」は何度倒されても起き上がるのでしょうか。 それは、人形の底にしっかりとした重りが隠されているからです。
多くの教訓では、この重りを「確固たる信念」や「志」だと説きます。 でも、その重りはもっと身近な「愛」であってもいいはずです。
心理学者のアルフレッド・アドラーは、その著書『人生の意味の心理学』(出典:アルフレッド・アドラー著、岸見一郎訳)の中で、人間が困難を克服する源泉についてこう示唆しています。
「共同体感覚」こそが、人を困難から立ち上がらせる。
これは、自分が誰かの役に立っている、誰かと繋がっているという感覚のこと。 つまり、「家族においしいものを食べさせたい」「ペットのために働こう」といった、私たちが「普通」だと思っている感覚こそが、実は最強の重りなのです。
「自分のため」だけだと限界が来ますが、「大切な誰かのため」と思った瞬間、私たちは不思議な底力を発揮します。 その重りは外からは見えません。でも、あなたを支える芯として、確かにそこにあるのです。
明日からできる、心の「重り」を育てる3つのステップ
立派な目標を掲げなくても、あなたは十分に強くなれます。 心の重心を安定させるための、具体的なヒントをまとめました。
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ステップ1:自分にとっての「アンカー(錨)」を再確認する 「家族のため」という理由は、決してありきたりではありません。あなたが辛い時にふと思い浮かべる顔を、最高の誇りとして認めてあげてください。手帳の隅に大切な人のイニシャルを書いたり、スマホの待ち受けを大好きなペットにしたりするだけで、それはあなたを支える強力なアンカーになります。
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ステップ2:「小さな貢献」を言葉にしてみる 「この資料を作れば、隣の席の〇〇さんが少し楽になるかも」といった小さな想像をしてみましょう。大きな社会貢献ではなく、半径5メートルの誰かの笑顔を想像すること。その「ありがとう」の予感が、あなたの心の重りを少しずつ大きく、確かなものにしてくれます。
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ステップ3:揺れている自分を「調整中」だと捉える もし今、あなたが不安で揺れているなら、それは「ダメなこと」ではありません。「今は起き上がりこぼしが、元の位置に戻ろうと一生懸命揺れている最中なんだな」と自分を客観的に見てあげてください。重り(大切な人への想い)さえあれば、必ず元に戻れます。揺れている自分を、どうか健気だと褒めてあげてください。
あなたの「普通」の愛が、あなたを救う
「世界を変える」なんて言えなくても大丈夫。 今日、無事に帰って「ただいま」と言う相手がいること。 明日、職場で「おはよう」と声を交わす仲間がいること。
そんなごく普通の、身近な繋がりが、あなたを七転び八起きの達人にしてくれています。 あなたはもう、自分を支える立派な「志」を持っているんですよ。
私も今日は、家族の大好物をお土産に買って帰ろうと思います。 それが、明日また私が立ち上がるための、一番のエネルギーになるからです。



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