巨大な目標に足がすくむ時。「細分化」の魔法で、無理なくゴールへ辿り着く方法

気づきと学び

見上げるような高い壁に、心が折れそうなあなたへ

「こんな大きなプロジェクト、私には無理…」
「苦手な分野なのに、こんなに大量の仕事を任されてしまった…」

目の前にそびえ立つ目標があまりに巨大すぎて、登る前から足がすくんでしまうこと、ありますよね。
まるで、装備も持たずに高い山の麓に立たされているような心細さ。
「私には才能がないから」「経験がないから」と、挑戦する前に自分自身に「無理」というレッテルを貼って、そっと目を背けたくなってしまう。

でも、ちょっと待ってください。
その不安、本当にあなたの能力不足が原因なのでしょうか?
もしかしたら、ただ単に「見方」が少し大きすぎただけなのかもしれません。

今日は、大きな目標を前にしても動じず、一歩ずつ着実に進むための「心の技術」について、一緒に考えてみませんか?

計算は得意なのに、文章となると手が止まる私

私自身の話をさせてください。
私は昔から、数字を扱ったり、計算したりする仕事は得意でした。
明確な答えがあり、論理的に積み上げていけば必ずゴールに辿り着く。そのプロセスが見えているので、どんなに複雑な計算でも「よし、やるぞ」と前向きに取り組めます。

でも、これが「文章作成」や「想いを言葉にする仕事」になった途端、話は別です。
以前、社内報の記事作成や、自由記述のレポートを任されたときのこと。
「これを来週までに書いて」と言われた瞬間、頭の中が真っ白になりました。

数字と違って正解がない。
真っ白な画面を前にして、「何をどう書き出せばいいの?」「てにをは、はこれで合ってる?」と迷いばかりが生じる。
私にとって文章作成は、どこから手を付ければいいのか分からない「巨大な霧の塊」のように見えて、パソコンを開くことすら億劫になってしまったのです。

そんな時、先輩が声をかけてくれました。
「いきなり完璧な文章を書こうとするから怖いんだよ。まずは『書きたい単語』を並べるだけでいい。次はそれを『箇条書き』にするだけ。それなら計算式を組むみたいにできるでしょ?」

その言葉に、ハッとしました。
私は無意識のうちに、文章という巨大な岩をそのまま持ち上げようとしていたのです。
でも、先輩の言う通り、要素を細かく分解して、パズルのように捉えてみたら、「これなら私の得意なロジックでいける!」と思えるようになりました。
一つひとつパーツを埋めていくうちに、気づけばあれほど怖かった原稿が完成していたのです。

不安の正体は「道筋が見えない」こと

私たちが大きな目標を前にして「無理だ」と感じる時、その正体は「能力の欠如」ではなく、「道筋の欠如」であることが多いものです。

人は、先が見通せない暗闇に対して本能的に恐怖を感じます。
苦手なこと(私にとっての文章作成)に対して腰が引けてしまうのは、ゴールまでのプロセスが「霧の中」にあるから。
逆に言えば、足元だけでもライトで照らしてあげれば、恐怖は「作業」に変わり、一歩を踏み出せるようになります。

ここで大切なのが、「細分化(チャンクダウン)」という考え方です。
どんなに長い文章も、元を辿れば一つひとつの単語の積み重ねです。
仕事も人生の目標も同じ。
「達成不可能な大きな塊」に見えるものも、分解していけば、必ず「今の私にもできる小さな作業」の集合体になります。

そして、この「小さな作業」をクリアするたびに、私たちの心には「できた!」という小さな自信が生まれます。
自信とは、最初から持っているものではなく、こうした小さな達成体験を積み重ねることで、後から育っていくものなんですね。

「勇気」とは、怖さを感じないことではありません。
怖さを感じながらも、最初の一歩を小さく踏み出すこと。
そのための工夫が「細分化」なのです。

巨大な岩を小石に変える3つのステップ

では、具体的にどうすれば苦手な目標を乗り越えられるのでしょうか。
明日から実践できる、心を軽くする目標達成のステップを提案しますね。

ステップ1:目標を「これならできる」サイズまで刻んでみるのは、いかがでしょう?

例えば「企画書を一本作る」という目標だと気が重いですが、「まずはタイトル案を3つ出す」ならどうでしょう?
「部屋の大掃除」ではなく、「机の上のペンをペン立てに戻す」なら?
自分が「これなら失敗しようがない」「1分で終わる」と思えるレベルまで、徹底的に目標を細かく分解してみてください。
ハードルは、またげるくらい低くていいんです。

ステップ2:最初の一歩を「アクション」ではなく「準備」にしてみるのは、いかがでしょう?

苦手なことに取り組む時、いきなり本番を始めるのはエネルギーがいります。
まずは「ファイルを開いて名前をつける」「参考資料を机に出す」「お気に入りのペンを持つ」といった、準備動作を最初のステップに設定してみませんか?
助走をつけることで、脳が自然と「作業モード」に切り替わり、そのままスムーズに次のステップへ進めることが多いですよ。

ステップ3:小さな達成を「見える化」して、自分を褒めるのは、いかがでしょう?

細分化したタスクを一つクリアするたびに、リストを消し込んだり、自分に「よし!」と声をかけたりしてみてください。
「こんな小さなことで…」と思う必要はありません。
進んでいる感覚(進捗感)こそが、モチベーションの燃料です。
「私、意外とやれてるじゃん」という感覚を積み立てていくことが、いつの間にか大きなゴールへとあなたを運んでくれます。

スモールステップが、あなたを遠くへ連れて行く

「千里の道も一歩から」という言葉がありますが、その一歩は、誰かに誇れるような大きな一歩でなくても構いません。
誰にも気づかれないような、ほんの数センチの歩みでも、それは確実に「前進」です。

苦手意識という霧を晴らすのは、あなたの才能ではなく、「細かく刻む」という工夫と、最初の一歩を踏み出す少しの勇気。

もし今、大きな壁の前で立ち尽くしているなら。
足元に転がっている小さな石ころを一つ、拾うことから始めてみませんか?
気づいた時には、あんなに高かった壁の向こう側に、立っている自分に出会えるはずです。

 

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