デザイナーの皆さん、今日もお疲れ様です。「こころのコンパス」編集者のシロクマです。
一生懸命作ったデザインに「なんか違う」と言われた時のあの脱力感……。私も経験があるので、胸がギュッとなります。今回は、そんな「修正地獄」から抜け出し、自分時間を守るためのマインドセットをリライトしました。
修正地獄にさようなら。デザイナーの私が気づいた、定時で帰るための「急がば回れ」ヒアリング術
「あ、ごめん。やっぱりこっちの方向性でお願いできる?」 「うーん、なんかイメージと違うんだよね……」
モニターと何時間も向き合い、1ピクセルの狂いもなく仕上げたデザイン。それを提出した直後に返ってくるこの言葉ほど、心を折るものはありません。
「えっ、最初の打ち合わせでそう言いましたよね?」
喉まで出かかった言葉を飲み込んで、ため息まじりにPhotoshopやIllustratorを立ち上げ直す。気づけば時計の針は夜を指し、スケジュールはボロボロ。心も体もヘトヘトになって帰路につく……。
特に私たちデザイナーのような、正解のない「イメージ」を形にする仕事では、こうした認識のズレによる手戻りが起きがちです。「私のセンスが足りないのかな」と落ち込む前に、少しだけ仕事の進め方の「順番」を変えてみませんか?
速さよりも大切な「ゴールの共有」
以前の私は、とにかく「レスポンスの速さ」こそがデザイナーの正義だと思っていました。依頼を受けたら、詳しい話を聞くよりも先に「まずはラフを作ってみます!」と勢いよく作業に入る。早く着手すれば、それだけ早く終わると信じていたのです。
でも、現実は逆でした。
「とりあえず」で作ったものは、クライアントの頭の中にある曖昧なイメージと大きくズレていることが多く、結局「ここを直して」「やっぱりあっちも」と、修正のラリーが延々と続くことに。
結局、制作スピード自体は早くても、「修正にかかる時間」がその何倍も膨らみ、結果として納期ギリギリまで残業する日々が続いていました。
そこで私は、勇気を出してスタイルを変えてみました。すぐに制作に入るのをグッとこらえ、その分、最初のヒアリングにたっぷりと時間をかけるようにしたのです。
「急がば回れ」はデザインの最短ルート
この変化のヒントになったのは、あるデザインの教本に書かれていた一節でした。
デザインにおける最大の問題は、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えてしまうことだ。 (出典:ビクター・パパネック 著『生きのびるためのデザイン』より着想)
クライアントが「おしゃれに」と言ったとき、それは「シンプル」なのか、それとも「華やか」なのか。そこを突き詰めないまま手を動かすのは、地図を持たずに砂漠を走るようなものです。
私は、しつこいくらいに確認を重ねるようにしました。「おしゃれというのは、こういうテイストですか?」と画像を並べて見せる。すると驚いたことに、作業に取り掛かる時間は遅くなったのに、全体の納品時間は圧倒的に早くなったのです。
「そうそう、これが欲しかった!」と一発でOKをもらえることが増え、何より「何を求められているか分からない」という不安から解放されました。
認識のズレをなくす3つの「確認」ステップ
明日から実践できる、修正ループを未然に防ぐための具体的なアクションプランを提案します。
- 1. 曖昧な形容詞を「翻訳」して聞き返す 「かっこよく」「ポップに」といった言葉は、人によって定義がバラバラです。「かっこいいというのは、高級感のある黒ベースですか?それとも先進的なサイバー系ですか?」と、共通認識を持てる具体的な言葉に翻訳して確認しましょう。
- 2. 言葉ではなく「視覚情報」で合意をとる 言葉だけでイメージを共有するのは限界があります。Pinterestや参考サイトを見せながら、「この色味に近いですか?」「このフォントの雰囲気ですか?」と視覚的にすり合わせます。この一手間が、未来の数時間を救ってくれます。
- 3. 完成度20%の「ラフ段階」で一度見せる 100%作り込んでから「全部やり直し」になるのが最大の悲劇です。要素の配置が決まった程度の段階で、「この構成で進めて大丈夫ですか?」とクイックに共有しましょう。早期の軌道修正なら、傷は浅くて済みます。
まとめ:丁寧さは、自分への優しさ
「スケジュールを守る」ということは、単にマウスを速く動かすことではありません。相手の頭の中にある「正解」を、一緒に丁寧に探し当てていくプロセスそのものです。
「丁寧な打ち合わせ」は、時間の浪費ではなく、定時で帰るための「未来への投資」です。
私も次の案件では、PCを開く前に、まずじっくりと相手の想いに耳を傾けてみようと思います。「急がば回れ」の精神で、心穏やかにクリエイティブを楽しんでいきましょうね。



コメント