「昔は良かった…」変化が怖いと感じるあなたへ。心が軽くなる古代の知恵

「昔のやり方は、もっとシンプルで良かったのに」
「あの人は、変わってしまったな…」

慣れ親しんだ環境や、心地よかった人間関係。それらが少しずつ変わっていくことに、寂しさや不安を感じてしまうことはありませんか？

変化が訪れるたびに、私たちは無意識に抵抗しようとしたり、戸惑ったりしてしまいますよね。

実は私も、仕事のやり方が変わる時などには、「うまく対応できるだろうか…」と、不安を感じることがあります。

しかし先日、そんな変化に対する考え方を、根底から変えてくれるような、古代ギリシャの哲学者の言葉に出会いました。今日は、その気づきをあなたとシェアしたいと思います。

その哲学者の名前は、ヘラクレイトス。彼は今から2500年以上も前に、こんな言葉を残したそうです。

「万物は流転する」

これは、「この世の全てのものは、絶えず移り変わっていく」という意味です。
つまり、私たちの周りの社会や人間関係、そして自分自身でさえも、変わり続けることこそが、本来の自然な姿なのだ、と。

この言葉に触れた時、私はハッとさせられました。
私たちはつい、「変わらないこと」を基準に物事を考えてしまいがちですが、そもそも「全く同じ状態を保つ」ことの方が、自然の摂理に反した、不自然なことだったのかもしれません。

この気づきは、私に新しい視点をくれました。

これまでの私は、変化を「仕方なく受け入れるもの」として、どこか受け身で捉えていたように思います。

しかし、そもそも「変わること」が前提なのだとすれば、大切なのは、その変化の波にただ流されるのではなく、「この状況を、どうすればもっと良くできるだろう？」と、自分から働きかけていく姿勢なのではないでしょうか。

新しい知識を学んでみたり、新しいやり方を試してみたり。
変化を「自分をアップデートするためのチャンス」と捉えることができれば、不安は「向上心」へと変わっていくのかもしれません。

興味深いことに、ヘラクレイトスはこうも言っていたそうです。
変わり続けるものの背後には、「変わらないもの」も存在している、と。

それは、物事の根源的な法則や、私たちが大切にしている理念のようなものかもしれません。

職場が変わり、人が入れ替わったとしても、「お客様に喜んでもらいたい」という想いは変わらない。
時代が変わり、価値観が変わったとしても、「誠実でありたい」という自分の軸は変わらない。

そんな風に、自分の中に一本の「変わらないもの」を持っていれば、私たちはどんな変化の波も、しなやかに乗りこなしていけるのかもしれません。

「昔は良かった」と過去を懐かしむ気持ちも、もちろん大切です。
でも、それと同時に、これから訪れる未来の変化に、少しだけワクワクしてみる。

そんな風に、変化を前向きな力に変えて、日々の仕事や暮らしに取り組んでいきたい。私は、今回の学びを通して、そう強く感じました。